2012年1月アーカイブ

おばあちゃんの家にはお風呂がなく、近所のもらい風呂をしていたのです。


せめてデイサービスなどでお風呂に入れればよかったのですが、このおばあちゃんはデイサービスには通っていません。


7月末の暑い日がつづいたときです。


体じゅうにアセモがいっぱい出て、かゆくてせつない、温泉に連れて行ってほしい、とのこと。


温泉はおできなどに良く効くというのでお連れすることを約束しました。


その日は、早目に訪問すると支度をして待っていてくれました。


宿につくとすぐ風呂に入りました。


誰もいない風呂で今日ははだかとはだかの付き合いです。


おばあちゃんの長寿の体、よくもこんなに長生きできたものだと愛しく思いながら、肩から足の先まで何回もみがいてあげました。


足なんか、ひと皮もふた皮もむけてきました。


「他人の家ではこんなことはできない。湯だってえんりょして使わなくてはならないし、気兼ねしてしまう。今日は極楽、極楽・・・・・」


・・・とそれはよろこんでくださいました。

帯もしないで、びらびら姿で受けとっています。


「ああ、よかった。すぐ代筆して礼状を書いてくれ」


・・・と言われます。


おばあちゃんは病気ではなかったのです。


お金がなく、ふところがさびしかったのです。


ふところがさびしくなると、ご飯ものどをとおらない・・・。


デイサービスへ遊びに行ってもおもしろくない、と話してくれました。


今回の送金が少し遅れたので、ガッカリしての床の中だったのです。


おとしよりにはなんといってもお金がいちばんの生きがいです。


そしてお金をつかった時はその都度、大福帳に記入しており、いつ死んでも迷惑のかからぬようにしている、とのことです。