おばあちゃんの家にはお風呂がなく、近所のもらい風呂をしていたのです。
せめてデイサービスなどでお風呂に入れればよかったのですが、このおばあちゃんはデイサービスには通っていません。
7月末の暑い日がつづいたときです。
体じゅうにアセモがいっぱい出て、かゆくてせつない、温泉に連れて行ってほしい、とのこと。
温泉はおできなどに良く効くというのでお連れすることを約束しました。
その日は、早目に訪問すると支度をして待っていてくれました。
宿につくとすぐ風呂に入りました。
誰もいない風呂で今日ははだかとはだかの付き合いです。
おばあちゃんの長寿の体、よくもこんなに長生きできたものだと愛しく思いながら、肩から足の先まで何回もみがいてあげました。
足なんか、ひと皮もふた皮もむけてきました。
「他人の家ではこんなことはできない。湯だってえんりょして使わなくてはならないし、気兼ねしてしまう。今日は極楽、極楽・・・・・」
・・・とそれはよろこんでくださいました。